「翼先生も、もう伝わってるんじゃないですか。本気の気持ちってやっぱり心にぐっと来ますもんね」



からかっているつもりはなかったけど、翼先生の反応がおもしろくて、どんどんS心が芽を出してしまう。




この先生は素直な人だ。



すごく真っ直ぐで真面目な人。




「卒業してからも想ってくれているなんてね。卒業旅行に誘うなんて、ね?それに、その気がなければ翼先生も参加しないですよね」




頭を抱える翼先生。


笑いが止まらない俺。




「しかも、2人で飛行機に乗ってねぇ?何とも思ってないわけないですよねぇ?」



苦笑いを浮かべた翼先生は、バスの後方に座る桃子ちゃんを見た。



「いや~噂通り、Sですね。新垣先生は。すべてお見通しっていうか、まぁあの、その通りなんですけど。実際に、俺はもう彼女のことは他の子とは違う目で見ているし、それを伝えたいという気持ちまで芽生えてきたりして」




俺もそうだったな。



直を特別な目で見ている自分に気づいた時、最初は伝えたいなんて思わなかった。


でも、気持ちが大きくなるにつれて、この想いを伝えたいと思うようになってしまった。


喜ぶ直の顔が見たいと……