店の中は、懐かしい匂いがした。
懐かしいと感じたのは、タバコの匂いのせいかな。
タバコの匂いと料理やお酒の匂いが混ざったようなちょっとキュンとくる匂い。
私の目に飛び込んできた景色。
私の耳に届いた音。
全部が、私を包み込んだ。
一瞬のうちに、私の目には涙が溢れていた。
「お誕生日おめでと~!直!!」
奥の個室。
薄い黄緑色のすだれの向こうにいたのは、大事な大事な仲間だった。
テーブルに置かれたバースデーケーキ。
その上に乗ったプレートには私の名前がチョコで書かれていた。
“HAPPY BIRTHDAY NAO”

