「私の方が、誠人のことを100倍好きだと思う」



つぶやくようにそう言った花帆さん。


私は、目頭が熱くなった。


安心した。



誠人さんは愛されている。






「誠人さんは、それ以上好きだと思いますよ」




「私の方が…… 夢中です。でも、それを彼には見せないように努力してるんです。私には娘がいるから、誠人は私と娘を守ろうとしてくれる。でも、その愛に甘えてしまわないよう、自分に言い聞かせていて……」






女同士の内緒話。



こっそり教えてくれた。






中学の頃、どれだけ誠人さんがかっこよかったか、どれだけ好きだったか。



会えない数年間、ずっと心の中に誠人さんがいたこと。



再会して、好きだと言われた時の気持ちは、一生忘れられないくらい嬉しかったんだってこと。




恋する女性は美しい。


キラキラと瞳を輝かせながら、誠人さんのことを語ってくれた。