「こんなへタレなヤツですけど、よろしくお願いします」



先生は花帆さんにそう言って、軽く頭を下げた。


誠人さんは顔を上げて、チラっと花帆さんを見た。



その誠人さんの表情が、何とも言えず、切なかった。



ものすごく、好きなんだろうなって……


伝わってくる表情だった。





「こちらこそ…… 本当に誠人さんには助けてもらってばかりで」




かわいい声。


娘さんは、花帆さんにとても似ている。


穏やかな表情も、綺麗な髪も、澄んだ瞳も。





「誠人にはもったいないいい彼女だなぁ?」



「そうだね~!!」




先生と私は、誠人さんをちょっとからかうような口調でそう言った。



誠人さんは、また顔を赤くして、花帆さんを見ていた。