桃子は、照れながらデジカメを見せてくれた。


朝一番に北海道に到着し、ふたりでラベンダー畑へ行ったらしい。



そこへ行こうと言い出したのも翼先生だっていうから、私はもう両想いを確信していた。




「うわぁ!綺麗!!ラベンダー畑ってこんなに綺麗なんだね」




「直と先生も行くんでしょ?もう少しでラベンダーの時期が終わっちゃうらしいから、しっかり見ておいでよ。感動するよ~」




薄紫色のラベンダー畑に映っていたふたりは、どう見ても恋人同士だった。



「翼先生、こんな顔するんだ」



「ね?かっこいいでしょ?学校ではクールなのに、すごくかわいい一面もあるの!」



「それは、桃子の前だからだよ。桃子の前では、先生じゃない自分が出せるんじゃないかな」





先生みたいなことを言っちゃった。



きっと今先生がここにいたら、同じことを言うような気がする。




「何話してるんだろう。あのふたり」



桃子は心配そうに腰を浮かせて、翼先生の後頭部を見た。



「年下の女性との付き合い方とか??それか、教え子との恋愛の仕方とか?」




私がニヤニヤしながらそう言うと、桃子は私の太股をバチンと叩いて、恥ずかしがった。