昨日のことのように思い出す。
言いたいことを言い合えたあの頃が懐かしい。
2度目の別れは、1度目とは全く違う。
強がりや、意地っ張りで別れたのではなく、しっかりとじっくり考えた末の別れ。
だからこそ、修復は難しい。
「懐かしいね」
私は、今日初めてちゃんとたっくんの顔を見た。
髪が伸びた。
やせたと言われればやせたように見えるかもしれない。
「俺は、何度も来たから懐かしくない。ゆかりと来るのは久しぶりだけど」
たっくん、ひとりで来たの?
それとも別の誰かと?
「お前と別れてから、夜中にひとりでこの場所に来た。先生とも一度来たっけなぁ」
知らなかった。
たっくんも、真剣に私とのことを考えてくれていた。
だからこそ、この場所なんだと思った。

