白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~




昨日のことのように思い出す。



言いたいことを言い合えたあの頃が懐かしい。




2度目の別れは、1度目とは全く違う。



強がりや、意地っ張りで別れたのではなく、しっかりとじっくり考えた末の別れ。



だからこそ、修復は難しい。





「懐かしいね」



私は、今日初めてちゃんとたっくんの顔を見た。


髪が伸びた。


やせたと言われればやせたように見えるかもしれない。




「俺は、何度も来たから懐かしくない。ゆかりと来るのは久しぶりだけど」



たっくん、ひとりで来たの?


それとも別の誰かと?





「お前と別れてから、夜中にひとりでこの場所に来た。先生とも一度来たっけなぁ」




知らなかった。





たっくんも、真剣に私とのことを考えてくれていた。




だからこそ、この場所なんだと思った。