「私だったら、絶交してるよ」



ゆかりはおどけた表情でそう言って、残ったドーナツを全部食べた。




「私の会社の同期もね、いつもたっくんのことかっこいいって言うの。それを最初は喜んでたけどだんだんムカついてきちゃったりして。実は密かに好きだったらどうしようとか想像しちゃう。そういうのって嫌だよね」





うなづく私に、ゆかりは言った。



かっこいい彼氏を持った私達の永遠の悩みだよねって。





一人なら乗り越えられないことも、誰かと一緒だと乗り越えられる。




私には、こんなに心強い味方がいる。





ゆかりは私の永遠の味方。




だから、一緒に頑張ろうね。






「もう一個、買ってくるね」




ゆかりは立ち上がり、ドーナツを買いに行ってくれた。




先生の言葉を思い出す。





“幸せだから腹が減る”




そうだね。


幸せだから、美味しい。