私は、正直な気持ちを全部話した。



美穂がタカと先生を比べたこと、先生を異性として意識したことが、本当に嫌だった。


そして、先生を見つめる美穂の目を見ていると、荒木さんを思い出してしまったこと。



でも、ちゃんと仲直りできて心の中にはもうモヤモヤしたものは残っていないってことも。





「それ、辛いよね。ライバルが増えるだけでも嫌なのに、その相手が友達ってありえない。しかも彼氏と一緒の旅行で先生に恋しちゃうって、彼氏もかわいそう」



ゆかりは、軽い口調でそう言った後に、ぐっと私の手を握った。




「なおぉぉぉ。辛かったでしょ。電話してくれたら良かったのに。何もできないけど、私は直のためなら何でもするよ~」




「ゆかり…… ありがと」



私もゆかりの手を握り返す。



あの時、ゆかりに会いたいと心から思った。




美穂に対して芽生えたドロドロした感情を、誰かに聞いて欲しかった。




自分が汚く思えた。


良い子を演じているような。



本当はこんなに嫌なことを考えてしまっているのに…… と心が痛くて、自分で自分が嫌いになりそうだった。



美穂とはもう終わってしまうんじゃないかと思った。