遠くから他の観光客の声が聞こえて、先生は隠れるようにして私を抱きしめた。 「内緒だぞ?」 やんちゃな目をした先生。 「うん」 先生が好き。 何度言っても足りないくらい好き。 本当はここで大きな声で叫びたいくらい。 「先生、好き」 小さく呟く私。 「知ってる」 お決まりの返事をしてくれる。 「俺も好き」 小さく呟いて、ぎゅっと手を握り歩き出す。