先生の言ったことの意味はよくわかる。
高校時代のホームルームを思い出す。
先生の教師1年目の出来事を私達に話してくれたことがあった。
かわいがっていた陸上部の男子生徒のお母さんが交通事故で突然亡くなった時の話。
その生徒は、その日の朝にお母さんとケンカして家を出た。
最後だとわかっていたら、ケンカなんてするんじゃなかったとその子は後悔していたと。
言いたいことは山ほどあると、先生の胸で泣いた。
毎朝起こしてくれてありがとう。
毎日お弁当ありがとう。
汚れた服を洗ってくれてありがとう。
美味しいご飯をありがとう。
僕を生んでくれてありがとう。
言いたいことがひとつも言えなかったと、その生徒は子供のように泣いた、と。
その話を聞いて、クラスの生徒も先生も涙ぐんでいたんだよね。
先生がその時言ってくれた言葉。
『大事な人が明日も生きているとは限らない』
先生の心の中はどんな風になっているんだろう。
今まで生きてきた中で、経験した悲しいことや苦しいことが全部ちゃんと残っていて、それが形を変えて優しい色になっているんだろうな。
だから、先生の言葉は人の心に染みる。

