私は興奮して話していたせいで、物音に気付かなかった。



私の体は、翼先生に抱きしめられていた。





「桃ちゃん…… 桃ちゃんはかわいいし、優しいし、一緒にいてホッとするし、俺にもったいないくらい素敵な女の子だよ」




「翼先生…… 私、死んでもいいぃぃぃ」




「だめだよ。死んだら俺がひとりになっちゃうから」




「翼先生…… 私も好きです。これからもずっと翼先生が好きです」






私の背中が翼先生の胸に当たっている。



背後から抱きしめられるってドキドキする。


でも、なんだか包まれているようで安心する。






「絶対に振り向かないで。そのままそっち向いてて」



「え?」



「振り向くと、キスしちゃいそうだから」



「はい」



「このままここで眠ってもいい?」



「はい」





ドキドキする。

きゅんきゅんする。



大好きな人が私を抱きしめている。


私の耳元に翼先生の顔がある。


信じられない。


ひとつの布団の中にいるなんて。