「あのさ……」 もう眠ったのかと思うくらい静かだった翼先生が声を出した。 ビックーーーン!! 心臓が…… 「はい」 声が震える。 「この状況で、話す内容じゃないっていうか…… 平常心でいられる自信がないんだけど…… 今日、牧場で言ったこと、聞こえてた?」 翼先生…… すごく緊張した声。 「はい。聞こえてました」 私も緊張した声で答える。 「明日もう一度言おうと思っていたんだけど、今言うことにする」 「はい」 翼先生は、深呼吸をした。 大きく息を吸って、吐く音がした。