ゆかりは、正直に話してくれた。



実は焦っていた。


実は寂しかったと。



依子と私が続いて結婚してしまったことで、ひとり取り残された気持ちになったこともあるんだと。




いつも笑顔で私を支えてくれたゆかり。


もっと早く気付いてあげていれば……





先生は夜景を見に連れて行ってくれた。


あの懐かしい場所。




高校2年の夏休み。


内緒で連れて行ってくれた夜景デートの場所。





「懐かしいな」



先生は、あの時と同じように腕組みをして夜景を眺めた。



「ちょっと泣きそうだよ、先生」



私もあの時と同じように、少し離れた場所に立つ。





夜景を見つめる先生を見つめる。