「直、俺は直のことなら何でもわかるんだからなぁ」


先生は、私の顔を温かい手で挟んで、先生の鼻を私の鼻にくっつけた。


「先生、心配かけてごめんね」


先生は、どこまで知っているんだろう。


タカから何かを聞いたのかな。




「こらぁ!!俺が直を心配するのは当たり前のことなんだから。謝らなくていいって」


「あのね…… 美穂とタカのケンカの原因、聞いた?」




先生は、私の腰に手を回して、私の足の間に足を入れた。



絡み合うというか、一体化…… って感じ。




「聞いた。タカから聞いただけだから、直が聞いたのとは違うかも知れないけど。俺と比べたって?」



「うん。今日、牧場ではあんなに仲良さそうだったのに。先生と比べたっていうか、私と先生を見て、自分達と比べたのかな」



私は、ちょっと本音じゃないことを言ってしまった。




私が何より嫌だったのは、美穂が先生に恋心を抱いていることだった。