白いジャージ5 ~先生とラベンダー畑~



同窓会を思い出した。



私は、最後に荒木さんとふたりで話して欲しいと先生にお願いした。



先生を信じていないわけじゃないんだ。


先生の気持ちを疑ったりなんて絶対にしない。




でも、あの数分間、私は先生と荒木さんが話す姿を想像してしまって辛かった。




あの時、そばにいてくれたのは、ゆかりと依子だった。



ふたりがいてくれたから…… 笑っていられたんだ。






「直…… どうしたの?さっきから元気ないよ」



声をかけてくれたのは桃子だった。


桃子が私の手の上に手を乗せてくれた。



その手があまりにも温かくて、私は我慢していた涙が一気に流れ落ちた。





「直、大丈夫?」




桃子は、盛り上がる男性陣にバレないように私の肩を抱いて、窓の方へと移動した。