同窓会を思い出した。
私は、最後に荒木さんとふたりで話して欲しいと先生にお願いした。
先生を信じていないわけじゃないんだ。
先生の気持ちを疑ったりなんて絶対にしない。
でも、あの数分間、私は先生と荒木さんが話す姿を想像してしまって辛かった。
あの時、そばにいてくれたのは、ゆかりと依子だった。
ふたりがいてくれたから…… 笑っていられたんだ。
「直…… どうしたの?さっきから元気ないよ」
声をかけてくれたのは桃子だった。
桃子が私の手の上に手を乗せてくれた。
その手があまりにも温かくて、私は我慢していた涙が一気に流れ落ちた。
「直、大丈夫?」
桃子は、盛り上がる男性陣にバレないように私の肩を抱いて、窓の方へと移動した。

