気にしすぎだってわかってる。
美穂は、先生に対して変な感情を持っているわけじゃない。
ずっと、憧れてくれていたし、長い時間一緒にいたから、タカと比べてしまっただけなんだ。
わかってるけど……
先生、その扉……閉めないで。
先生と美穂は、私の見えない場所へ行ってしまった。
美穂は大事な友達。
本当なら、大事な友達を心配してくれる先生に感謝するべきなのに。
高校時代、荒木さんに感じた気持ちと同じ。
お願い、話さないで。
お願い、優しくしないでって……
思ってしまったんだ。
美穂は友達なのに。
2年間、美穂と一緒にいて、たくさんの友情を築いてきたはずなのに、先生が絡むとこんなにあっけなく消えてしまうの?
自分がとても嫌な人間に思えた。
彼氏と喧嘩して落ち込む美穂に、先生が優しく声をかけることは誰から見てもおかしいことじゃない。
先生のことだからきっと、いいアドバイスをしてくれるはず。
それなのに……
なかなか戻ってこない先生と美穂に、イライラしてしまう私。
少しでも気を抜くと、目から涙がこぼれ落ちそうだった。

