「美里ー?どうしたの、朝っぱらからそんな不機嫌な顔して」 言葉の通り、私は不機嫌だった。 頬杖を付き、窓の外から視線を一切逸らさない私を、親友の綾が心配そうに覗き込む。 「…別にー…」 「いや、絶対何かあったでしょ」 そう言うと、しかし気遣ってくれたのか綾は急に話題を変えた。 「あっ…そういえば!怪盗マリン、昨日も活躍したんだってね!」