あおい島には人工の大樹が存在する.


名をレイピア.



頂は高層ビルの遥か上をゆく.





枯れ果てた大樹は幾度の春が来ても花を咲かすことはなかった.









「お前もおわりだな」



無表情で優しく木の幹を触れるは山崎無限.



学生服を身にまとい、腰には双刀を下げる.

欲しいものなどなにもない.

ただこの島を殺すだけだ―――――







死ぬ覚悟で来たからには目標は達成させてもらう.



そんな気持ちが、滲みでていた.








やがて、大樹の元から無限は気配をけした.





小さな風だけがそこに残る.