中箕は片手に持ったペットボトルの爽健美茶を飲み干すと、プハァっとベタなセリフを吐いた.


「-あおい-は幽霊でるって!失踪事件も起きてるしー!」


まるで子供のようはしゃぐ中箕.

輝いた目は何カラット云々よりも数値が高かった.





「まず・・・立ち入り禁止区域だし・・・捕まったら・・・・・・ねぇ?」


夏希が不安気に言う.

困った顔をしているが、笑顔も無理矢理かねそろえる.

その表情がまた愛らしい.





「いーんだよ!!いくんだよ!!ドキドキしてぇじゃん」



もうこうなってしまった、中箕は止められない.

三人には分かりきっていたことだった.



確かに、大学入ってからというもの何の刺激もなく過ごしてきた.


そこで何か刺激を求め、中箕の提案で心霊スポット巡りが四人の間で流行っていたのだった.