島は唸る.


黒い空からは眩い光が僅かに差していた.


決して手の届かない場所ではない.


だが、辿り着けない者もいる.




「なんだ・・・あれは?」


初めにいた場所に、再びたどり着く.

違っているのは、樽谷夏樹の姿がそこにいないというだけである.


瀬戸は目を細めて、久しぶりに浴びる光を凝視した.

こんな島にも光が差す時があるのだと関心した.