「どけ・・・!」


瀬戸は後藤の胸元を押してみるがびくともしない.

それどころか、どんどんと体は追いやられていく.


「がる゛゛ぁ゛あ゛っっ!!」


「・・・やめろ!」


相原が短く駆け寄るが、時すでに遅し.


瀬戸の体は軽く風をきり、荒波が暴れる空間へと放り出されていた.


「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

瀬戸の絶叫が聞こえたのもつかの間.

すぐに声は小さくなり、次の瞬間には消えていた.


「・・・・・・ああ・・・」

相原の目の前でまた一人と、人が消えていく.
やっぱり護るべき人だった.
自分は自衛隊だったはずなのに...