液体の進行は、二人のギリギリの部分で止まり、うようよと奇妙に跳ねている. そんな景色に気づいているのか、いないのか、瀬戸と相原は見つめ合う. 「・・・・・・・・・このままじゃあ・・・餓死しちまうだろ」 瀬戸は腹を押さえて、無情なアピールをする. 「・・・俺は、人は喰わない・・・・・・人道を反してる!」 荒波が、いっそう音をたてて絶壁にひるがえった.爆音が届く. その本音は、本当の本音なのか――