むせる瀬戸に中箕は思わず笑みがこぼれる.
この懐かしい姿が見たかった.
そして、求めたものがいまここにある.


「僑介!生きてたのか・・・」



「・・・当たり前だろ」



「優華と・・・・・・・・・夏樹は?」



瀬戸は目をそらす.逃げるかのように.しかし責任は重くのしかかる.

「護ってやれなかった」



空を見上げる中箕.未だ広がる黒い空.
絶望が果てしなく続いた.