真夜中の学校―――――――
これほど怖いものはない

一番怖い場所とも言える所に二人はいた.

学校の恐ろしい雰囲気に完全に呑まれていた夏希は一言も言葉をこぼさず、ただ瀬戸の右腕を掴んでついてゆくだけだった.
                                                          
「・・・小さな学校だな」


呟く瀬戸に夏希は何も言えないでいる.
                                      
たった一つの校舎で構成された、あおい中学校.


その校舎とは裏腹にグラウンドが何故かとてつもなく広い.




設計ミスとも言えるような学校の風貌は、何故か恐怖を煽っていた.


二人は正面玄関から校舎へと入り、1階のエントランス横の廊下にいた


「・・・僑介ぇ・・・」


ほとんど聞こえない声で喘ぐように言葉をだす.