「美希・・・・・・・・・」



前が見えない.暗い意識のふち.

老いぼれた山崎のカサカサな皮膚を確かに感じ取る.


酷く冷たい.何も応えない.
鳴海真希には誰も返事はない.


果てしない絶望感.


誰ひとり自分を救わない.



見知らぬ土地にひとりぼっち.



ずっとずっとひとりぼっち.



「・・・・・・嫌だ・・・狂ってる!」


正気なのはこの光景なのか、自分なのか.

狂っているのは、自分なのかもしれない.

自分と繋がりのあるものが消え去り、残ったのは深い後悔のみ.


誰か、救いようのない私を――――