憎しみが舞う. 誰よりも強く、強く・・・ 全てを許さないと言わんばかりに破壊衝動はやまない. 人工樹林を土にかえし、建築物を砂に帰す. 芽生えた草木を風に喰わせ、島は剥げてゆく. ポツポツ... しとしと雨は福嶌悟郎の頬を濡らし、白髪の目立つ頭を濡らした. 自分の手を見ると、もうこんなに年老いてしまったのかと気がつく.