笑い狂う赤坂はまるで死を覚悟しているようにも見えなかった.


追いつめられた人間は、、こうなるものか・・・?




「――ハハハハハハハ!!」



赤坂は腹に手を当て、踊り、笑い、狂う.
その奇妙な光景に嫌気がさした森田はついに引き金をひく決意を固める.



「ハハハハハハハ!!ハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・・・・はっ・・・・・・っ!!」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっはっ」


予想通りに、現実的に赤坂は倒れ込む.
あまりにも普通である.
...........




次の瞬間には、右手の人差し指に確かな感触があった.
限界まで引かれたスイッチが、徐々に解除されてゆく.

聞こえたはずの銃声も、なにもかもが、数秒後には覚えていなかった.