山崎は己の姿を確認すると、なるほど と頷いた.


弱々しくなった体に全身全霊の力を込めるが、頭からの信号が届かないのか、信号さえないのか、とにかく体が動かない.



時間をかけて、やっと一歩がふみでる.



それに使う労力が酷く、山崎は笑って白い髭をなでる.



「・・・もう・・・・・・護って、やれないな」



もともと大きな樹は天を突き破り、暗黒の世界へと導いてくれるそうだ.


どこかのてっぺんで、小さかった木の葉は音もなく揺れていた.