ザ―――――――――
鳴り響く轟音に足がすくむ.

こんな恐怖は初めてだった.



もうすぐ死ぬかもしれないという、焦りからくる恐さ.




宮地の目線の先には、薄暗いトンネルの天井から突き破るようにして流れ出る水流があった.




まるで滝のような、豪快な様である.



水流はトンネルの内部、外部のコンクリートを次々と破壊してゆく.





水流の正体は海.



無限の敵はあっという間にこのトンネルを破壊し、埋め尽くすことだろう.







―――――――――脱出しなければ.


目の先の道はもう塞がれた.


無理に水流に突っ込むと即死するかもしれない.




残された道は・・・



宮地は後ろに振り向き、覚悟を決めた.