「・・・・・・お前・・・!」


忘れかけていた者がぶり返す.


後藤康司は、ふらつく体は前のめりに、頭からは大量の血液が浸る.


海苔のように垂れた前髪で表情は解らない.



「・・・・・・ハハ・・・ぅぁ・・・・・・」


ギリギリの二足歩行で後藤は瀬戸とロイへと近づく.


後藤は、何かを隠すように薄汚れた両手を後ろ側へ回している.