手を幹に触れ、肌で感じる. 植えられた樹はほんの僅かな季節を巡り、雲を突き破るような大樹へと成長した. 「あの赤子の手形を・・・・・・」 「本気なのか?」 神田の言葉に相原運夫は疑う. 大樹に片手を押し付ける神田を細い目で見つめる. 「託そう.全ての期待を.これでだめならもうだめだ」 「・・・・・・・・・」