「・・・?」


自然と相原は封書を掴み取り、くるりと封書を裏返すとすぐに宛名の文字が目に入った.



相原はっ とし、次の瞬間絶句する

『宛 相原運夫様』


――――父の名前だった.
活字で丁寧に刻まれた父の名前は妙にリアルで、見覚えのある達筆だった.


なんで?・・・・・・なんでこの島に?



相原はしばらく難しい表情を浮かべたのち、封書に手をかけた.



中にはたった一枚の薄っぺらい紙だけが申し訳ないかのように本当にひっそりと入っていた.