緊張と焦りからその手は震えていた.


「はは・・・俺も本気だ」


そんな様子をあざ笑うかのように東堂は引き金をひこうとする.

その顔は奇妙に、微笑んでいた.




――――――――異常だ.
東堂はおかしい.
そう相原は思った.


「ちょっと!東堂さん・・・!!」



相原が大きな声で言うが、東堂には届かない.




「――――じゃあな、死んでくれ」



東堂は人差し指を引き金へとやる.



「やめろ・・・!!」



止めなければ・・・止めなければ!

焦る気持ちは相原の迷いを消えさせた.




「・・・畜生!!」





ドゥンドゥン!!!





ふたつの銃声が、灯台にこだました.