自分の存在意義がやがて見えなくなり、目の前が暗くなる.



「どうせ、みんな死んでるんだろ・・・・・・」



諦めから出た言葉は、まるで溜め息を吐くように小さく、弱々しかった



もう自分は死んだほうがいいんだと、自分が人を殺しているのだとさえ思った.



冷たいコンクリートに触れてみると、自分の家が恋しくなった


暖かい布団に暖かい家族
自分を待っている人がいる、心地よさ



「帰りてぇ・・・・・・」

涙声の中箕は、片手で拳を作るとコンクリートに思いっきり叩きつけた

痛みがジーンと全身に伝わり、自分の弱さ、無力さを改めて痛感するのだった