「ふーん、そう」



山崎は愛想の悪い表情で、真希だけをひたすらに見つめた


まるで何かを伝えるかの如く



「じゃあ、いい旅を」


そう言い終えると、山崎はごく自然に空港の出口へと向かっていった

だんだんと小さくなる彼の背中は、普通ではなく、どこか普通とは違っていた

「変な人・・・」


心のどこかで疑問を残しながら、当然のように鳴海姉妹が飛行機に搭乗するのは、もう少し後のことだった