「あ゛ーー.帰りてぇ」 冷たい鉄格子の向こうには大の字になって寝転びくたびれた男の姿. 伸びきった赤茶の髪をかきむしり、悪態を何度もつく. 「おじょーちゃん.こ こ あ け て ?」 男は幾度目かの脅迫をまた繰り返しはじめた. そのたび、少女は体で反応する. 震える自分を抑えることはできない. どこへいっても地獄. (いま私にできること・・・) これしかないんだ. そう思い、ビクビクと牢の鍵を開けた.