あおい島、蒼五指浜.



煙をモクモクと立てた真っ白な飛行機は今にも爆発してもおかしくはなかった.





下半身は海に、上半身は浜辺に乗り出した飛行機の中心部分は歪な亀裂が入っている.



そこから聞こえる故障ともいえる機械的な音は、この飛行機の危険性を示している.








――――――内部.

操縦席に座るは福嶌 悟郎.
もう若いともいえない体は、脱力感極まりなかった.



もうどこを見ているかもわからない目は酷く虚ろだった.




「・・・私が殺したんだ・・・・・・」



多くの乗客を乗せて飛び立った羽田発の真新しい飛行機.