「ああ?陸でいいよ。さゆりは、特別な」 あたしの消えそうな小さな声に、陸はちゃんと答えてきた。 「やりっますねぇ?」 楽しげに明るい笑い声。 「うっせ!」 陸は、彼らのあしらい方をよく知った 口のききかたをした。 涙でにじむ目 ようやく。 あたしは、陸をちゃんとみた。 _