あたしはもう一度、姿見に映った自分を見る。 黒い布に桜が舞っている、舞妓らしくない着物。 どちらかというと…舞妓というより、おいらんみたいな感じ。 帯が前だし… 踊りにくいんだよ、これ。 『時間…どすか?』 山崎「…うん。行かせたくないなぁ…ここで食べてしまいたい」 『いややわぁ。冗談はよしてくださいな、山崎はん』 山崎「…冗談やないのに。まぁえぇわ。行くで」