清々しい朝 肌に触れる空気は冷たいが、心地好い。 『497、498、499、500っ!』 朝の日課の素振り500回をクリアし つぅっと流れた汗を、タオルで拭く。 …ん、今日もいい天気! 竹刀を片手に、大きく伸びをする。 『桜(さくら)、ご飯よー』 母のあたしを呼ぶ声がして、道場に一礼をしてから居間へと向かう。 お祖父ちゃんとお母さんがきっとまた、味噌汁の濃さで言い合っていることを想像して 僅かに頬を緩ませながら。