目立つ着物だからか 一斉に、男子の注目を浴びる。 その恐ろしさのあまり、あたしは歩夢ちゃんの袖をギュッと握った。 「…さ、前行こか?」 そっと、手を握られ歩きだすと あたしたちの前にたちはだかっていた人たちが すこし、顔に恐怖を張り付けながら道をあけていった。 …あたし、怖がられてる? などと、勘違いしている桜だが 男子が怖がっているのは、桜の隣を笑顔で歩いている歩夢だった。