-凛 side-



夢を見た。


壱の夢。




「・・・・ン・・」



窓から入り込む夕日が眩しくて、私は目を覚ました。



「柏木君…」



私は目を擦り、柏木君の机を見た。




「鞄が・・・・ない!ウソ!帰っちゃたんだ」




仕方ないので、私も鞄に教科書を詰め帰り支度をした。



「ん?」



私は、ある事に気付いた。


柏木君の鞄がなくて帰ったって事は、教室に来たって事?


教室に来たって事は、私が寝てるのも見たって事?



一気に恥ずかしさが増した。



「変な寝顔じゃなかったかな」




話を聞けなかったし、寝顔まで見られたし、最悪だよ。



私は、肩を落として教室を出た。