俺の夢、見てるのか。



ダメだ。


ここで凛に触れてしまうと、俺は自分を止められない。


きっと、凛を抱き締めてしまう。




それだけは絶対に許されない。


今の俺は、"柏木壱"。

"保科壱"はもう捨てた。



俺は、行き場をなくした手をギュッと握りしめ、鞄をもって教室を出た。





ごめん、凛。