-壱 side-


一週間後、俺は駅前の公園にいた。

凛とデートの日だ。

今日のデートで俺は凛に伝えたいことがあった。

俺も塁と同じで、気持ち無駄にはしたくない。


そして、塁の気持ちも無駄にはしない。



「壱!お待たせ」



凛が笑顔で走ってきた。

愛おしい人の笑顔。

俺がずっと求め続けた笑顔。


それが今、俺の目の前に。



あ、やっぱり俺はこの子が好きなんだ。って思わせる今の気持ち。



「ううん、待ってないよ。さ、どこ行こうか?」


「壱の好きなとこでいいよ?」


「ん~…ならずっと凛を連れて行きたいなって思ってた、カフェがあるんだ。そこのパンケーキがおいしいらしいからさ」


「うん、行こう!」