-塁 side-



あの後、茜達がいる店に戻って、さっきあった事、解決した事を話した。

茜はあのお嬢様のこと、「許せない!今から一発ヤキ入れて来るわ!」みたいなこと言って、ちょっと大変だったなぁ。


今はみんなとも別れ、壱と少し話がしたくて、公園に来ている。

二人でブランコに座り、何気ない会話から始まった。



「小学生の時、野球の試合が終わった後、自慢大会とか言って、よくこうやって遅くまで話してたよな」



壱がそう呟いた。



「そうだったな。野球の試合とか、凛の話になるときは、必ず2人でこうやってたな」


「そうそう、凛の話する時とかも必ずここだったよな」


「………」


「………」



「凛」

この名前が出た瞬間、俺たちの会話は止まった。



「やっぱり俺はお前が羨ましいよ」


「なんだよ急に」


「5年間の空白って、やっぱキツイな」


「……」



壱は、静かに話し始めた。