「もしもし?」
「……」
「もしもし?若菜?」
「……ッ…クク」
ん?
なんか、様子がおかしい。
「若菜…なのか?」
「…クク…」
電話口から聞こえてくる不気味な男の笑い声。
「……誰だよお前。それ、若菜の携帯だよな?」
嫌な予感がした。
「……壱?どうかした…」
凛が変に思ったのか、俺に話しかけたけど、俺は自分の口の前に指を立て、「静かに」の合図を送った。
その時、電話口から男の声がした。
「あんた、柏木壱?」
「ああ、あんたは?」
「名前、名乗らなきゃいけないかな?」
人をバカにしたような口調。
「ハハ!冗談、冗談!俺は雄二、若菜さんのお友達で〜す」
「若菜の友達?」
「ああ…お友達」
「なら、若菜にかわってくれない?」
男は少し黙って、こう言った。
「若菜は今話せないみたいだから、俺から用件を言うね?」
…用件?



