海に着いてからも、皆は騒いでいたけど、私は塁の事が頭から離れなかった。
「凛、大丈夫?」
「うん!私は大丈夫だよ!ちょっと熱いから、向こうの影で座ってるね?」
「わかった!水分補給はちゃんとね!」
「ありがと、茜」
皆がビーチバレーする中、私は一人抜け出し、木陰に腰をおろした。
塁は、私が元気ないことを見ないフリをしてたけど、きっと気付いてるよね…。
私が考えてることは…。
「俺も、休憩っと」
「…壱…」
そんな私のそばに座ったのは、さっき始まったばかりのビーチバレーを抜け出してきた壱だった。
「考え事?」
「え…?う、うん…」
壱は私の顔を見ずに聞いてきた。
壱は優しい。
きっと私が元気ないことを気にして来てくれたんだ。
壱は、昔から変わってないなぁ…。
「塁……でしょ?」
「え?知ってたの?」
「知ってたって言うか、3日前くらいに塁から電話があってさ。塁が言ってたから」
「なんて?」
「凛に告白したって。そして、『一週間後、必ず返事をくれって言った。バカかな?俺って』って言ってた」
「壱には、もう何でも話せるんだね、塁は…やっぱり、親友なんだね」
「たぶん、俺だから話したんだと思う」
「…そっか…」
あまり意味は分からなかったけど、それは塁と壱の中で、何か繋ぐものがあったんだ。と、あまり深くは聞かなかった。



