「もしもし」
『あ、い…壱?ごめんね、急に電話なんか…』
「大丈夫だよ。どうした?」
『あのね、塁から聞いた!!海、行ってくれるんだよね?ありがと!』
「ありがとって何だよ(笑)ま、夏だし…それに、俺も高校生活の思い出くらいつくりたいしな。また凛や塁とも笑いあいたいし…」
『壱…』
「ってわけだから、明日は楽しみにしてる」
『うん!私も!…あ、それと壱…』
凛の声が、ちょっとだけ小さくなる。
「何?」
『おとといね、塁と街を歩いていたら、若菜さんにそっくりな人を見たの』
「若菜にそっくりな人?」
『うん。裏路地のビルに、男の人と3人くらいで入って行くのを見たの』
なんだ、この胸騒ぎは。
『塁は、こんな場所にお嬢様がいるわけないって言ってたんだけど…若菜さん、変わった様子ない?』
「……」
『壱?』
「あ、あ~…大丈夫!さっきも、会ったけど普通だったし…」
『そっか、ならいいんだけど…じゃ明日は楽しみにしてるね』
「ああ、じゃーな…」
凛に嘘をついた。
凛はやたら心配するから、あまり変な事には巻き込みたくない。
似てる人…果たして…
若菜なのか…
若菜なら、なぜ裏路地のビルに…
しかも、男3人と…?



