〜♪〜♪〜♪


ポケットの中の携帯が鳴った。

ディスプレイには「塁」の文字。


「もしもし?」


『今大丈夫か?』


「ああ、どうした?」


『俺、勝負に出た』


「勝負?」



塁の声は、どこか強い感じがした。



『凛に、告白した。って言っても、何回目かわかんねーけど…だけど、これで最後』


「塁…」


『アイツがお前を忘れられないってんなら、俺は諦める…だけど、少しでも俺にチャンスがあるなら、付き合って欲しいって言った』

「うん…」


『お前にだけは、先に話したかった』


「サンキュー…」


『一週間後、必ず返事をくれって言った。バカかな?俺って…』


「いや、バカじゃない。俺はお前に感謝してんだ」


『なんかカッコ悪いな、俺』


「どうしたんだよ!そんな弱気でさ」




だんだん小さくなる塁の声は、自信無さげな声。