-塁 side-
「お待たせいたしました」
「あ、ど…どうも」
料理が運ばれてきて、俺は握っていた手をとっさに離した。
凛も、顔を赤くして下を向いている。
俺たちの夕飯は、ほぼ無言の夕飯だった。
それより、これでいいのか。
自分の気持ちを押し付けすぎなんじゃないか。
俺は。
だけど、俺だって凛をずっとずっと想ってきたんだ。
今更諦めるなんて出来ない。
壱があの女を選んだ以上、俺が凛を幸せにしたい。
凛、俺はお前を幸せにしたい。
「ありがとうございました」
"カラーン"
「塁、ありがとね。おごってもらって」
「いいって」
「それよりさ、茜達とどこか行く話し、もうどこか決めてんのか?」
「海がいいなって話しなんだけど、どうかな?」
「夏だし、いいんじゃねーの?」
俺達は店を出た後、町を少し歩いた。
すると凛が、横道を見て立ち止まった。



